【不妊治療】はじめての体外受精・受精確認からの3日目新鮮胚移植
いよいよ受精確認の日です。
自己注射からも解放されて、採卵が終わったらのんびりすごせるんじゃないかと思っていましたが、今度は受精確認にむけて緊張する日々の始まりです。
「受精してくれているだろうか、分割してくれているだろうか、移植できるだろうか」
いろんな思いが頭を駆けめぐり、まったく落ち着きません。
いったいどれほど多くの女性がこの緊張と戦っている(きた)んだろう、と胸が熱くなりました。
私だけが大変なわけではない、そう思い、気持ちを奮い立たせていました。
結果として、3日目胚を新鮮胚移植することになります。
移植は痛いという友人からの前情報もあったため、ちょっと身構えましたが、実際は痛みはありませんでした。
個人差があるのでしょうね。
どちらかといえば、移植前の尿だめに苦労しました 笑
今回は、受精確認から移植までの流れについて、体験談をまじえてまとめてみました。
採卵までの流れはこちらをご参照ください。
受精確認
朝からソワソワ…いや、前日の夜からすでにソワソワしていました。
私の通うセントマザー産婦人科では、採卵から3日目に決められた時間に病院に電話をして結果を聞くことになっています。
(※現在は、3日目ではなく、4日目に変更になっています)
電話をする直前は目がチカチカしだして…完全に血圧あがってますね!
我ながら驚くほどのチキンハート です。
採れたタマゴは4つと少ないので、あまり期待はしないでおこうと自分に言い聞かせ、ダメだったときに備えてついつい心に予防線を張ってしまいます。
移植指示
……ずっと話し中でしたが、数回かけなおして、やっとつながりました。
名前を確認した後、すぐに
「今日移植の指示が出ていますので、14:30に来院してください」
と言われました。
最初電話を取ってくれるのは看護師さんのようで、胚についての説明は基本的にしてくれません。
あくまで移植の指示が出ているか・出ていないかを伝えるだけのようです。
食い下がって、何個受精したか教えてほしいと頼むと、培養士さんに電話を代わってもらえました。
受精の結果発表
「4つのうち3つが受精しています。
通常3日目は8分割が目安ですが、
6分割が1個
5分割が2個
と、分割のスピードはゆっくりです。
でも胚自体の状態はよいので、移植できます」
質問した以上のことを丁寧に説明してくれました。
分割スピードの部分でちょっとがっかりしましたが、「状態がいい」という言葉は救いでした。
移植のため病院へ
14:30の来院を指示されたので、14:20にセントマザーに到着しました。
移植専用の受付簿に名前を記入し、予約伝票を提出しました。
知り合いから、
「移植のときはおしっこを貯めておかないといけないよ」
と聞いたことがあったので、1時間半前からトイレを控えました。
…けれど、緊張していたからか、はたまた寒い日だったからか、病院に着いたタイミングで、すでにトイレに行きたくてしかたありませんでした。
内診室へ
14:30になるとすぐに内診が始まりました。
内膜は9mmで、移植に向いている状態とのことでした。
おそらく凍結できるような質のいい胚じゃないので、内膜の状態が悪くて移植中止にならなかったのは幸いでした。
培養士さんとの面談
胚の状態説明
やはり、胚は分割がゆっくりしているそうです。
朝の段階では6分割が1個、同じく5分割が2個でした。
その後、特段変化はなく、「早めに母体に戻したほうが胚にとっていいだろう」と判断して今日の移植になったようです。
3つのうち1つは分割が止まりかけていてよい状態ではないらしく、移植できそうなものは2つだけ。
2つとも凍結には向かないとのことで、落ち込みました。
2個移植を選択
培養士さんが一段と真剣なまなざしになって、
「移植する個数についてなんですが…どうお考えですか?」
と切り出してきました。
前夜に夫婦であらゆるパターンについて調べ、話し合っていたので、
「自分の体や赤ちゃんのリスクを考えると、積極的に2個移植することはしたくない。
けれど、廃棄になってしまうくらいだったら、今回は2個移植したい。」
と伝えました。
基本的に35歳以下の人は1個移植オンリー、それ以上の人は2個移植も選択できるようです。
多胎はリスクが高いため、喜んでばかりはいられません。
身近に双子を産んだ人を知っているので、リスクが高いことは目の当たりにしてきました。
ただ、今回の受精卵は分割が遅く、グレードもそれほどよくなく、妊娠する可能性はきわめて低いので、2個移植を決断しました。
(グレードがいい胚だったら1個移植を選択するつもりでした。)
2個移植の場合は、
「私たちの強い希望で2個移植します。双子のリスクの説明はしっかり受け、理解しました。責任は夫婦で負います」
という内容の文章を書かされ、署名させられます。
なんだかものものしくて、怖気づいてしまいました。
「今からトイレ禁止です!」と強く言われました。
なんだ、そんなに前からトイレを我慢する必要はなかったのか…
どうしよう、すでに膀胱の限界が近づいていましたが、我慢することにしました。
いよいよ移植
小さなロッカーに貴重品を預け、更衣室で術衣に着替えます。
下だけ下着を脱いで、上はブラジャーを含め着ていて大丈夫です。
なるべく水分を摂ってください、と言われましたが、すでに我慢している状態だったので、もう飲まないようにしていました。
待合室で1時間くらい待ったので、トイレに行きたくてしかたなかったです。
「早くしてくれ~」と心でさけんでいました。
名前を呼ばれ、待合室に横づけされたベッドにヒザを立てた状態で仰向けになり、毛布をかけられスタンバイします。
前の人が終わると、そのままガラガラとベッドごと移動し、手術室横の薄暗い部屋へ移動します。
意識のある状態でベッドに寝て運ばれるのは初めての経験だったので、なんだか新鮮でした。
移植室の中では、念入りに5回くらい名前を確認されました。
まちがって別の人の胚を移植してしまったら、大問題ですもんね。
移植の前処置
まずは膣の洗浄・消毒をします。
着床の邪魔になるようなおりものなどを除去するようです。
「ここがまず踏ん張りどころですよー。ちょっと痛いですが、がんばりましょう!」
と声をかけられ、「え、痛いの?」と一瞬で身構えました 笑
看護師さんが「深呼吸してください」と声をかけてくれました。
…全然痛くない 。
痛がる人が多いのか、「痛くないですか?」としきりに聞かれました。
そして、子宮の入り口をつかむ時も
「今から子宮つかみますよ!ちょっと痛いですよ、3・2・1!はい!」
と声をかけてくれながら処置は進みます。
…全然痛くない 。
ここでも何度も痛くないか聞かれました。
移植
お腹にジェルを塗られ、エコーでグリグリ強く押されます。
トイレを限界まで我慢していたので、正直つらかったです。
「チューブが入りますよー、今から本番ですよ、がんばってくださいねー」
…全然痛くない 。
というか、完全に尿意に気を取られていたので、痛みを気にするヒマがなかったです。
「こいつは大丈夫なヤツや」と判断されたのか、もう痛みについて聞かれることはありませんでした。
そして、開始からわずか5分ほどで終了。
再びベッドに横になったまま移動して、回復室へ運ばれました。
痛みは?
看護師さんや先生の様子から、痛いポイントは3箇所くらいあるようです。
・膣の消毒
・器具を入れるため、子宮口をつかむ時
・移植用のチューブが入る時
私はまったく痛みを感じませんでした。
ウワサによると、セントマザーの院長の移植はけっこう痛いらしいです。
(後日、院長に移植してもらいましたが、私はそれほど痛くは感じませんでした)
休憩
そのままカーテンで仕切られた大部屋で30分横になって休憩します。
食事をしてもいいらしいですが、横になったまま食事をとるのは難しいので食べませんでした。
喉につまりそうですし、シーツに食べかすをこぼすのも申し訳ないので…そもそも誰も微動だにせず休んでいるので、食べられる雰囲気ではありません。
ほんの2m横には、見知らぬ誰かが静かに横になっているのですから。
好物のビスコを持参していたのですが、ボリボリ音がなるのが恥ずかしくて、持ち帰って自宅で食べました。
もしも食べ物を持って行くのなら、チョコとかアメとか、静かに食べられるものがいいと思います。
飲み物は、寝たまま飲めるストロー付きの水筒を持参すると便利だと思います。
まぁ、たった30分のことなので、飲み食いしなくても耐えられる時間なんですけどね。
私はとにかくトイレに行きたくて、必死で耐えていました。
尿のためすぎは注意です。
30分たつと声をかけてもらえ、着替え→貴重品を受け取り、お会計のために受付に声をかけます。
とりあえず、まずダッシュでトイレに駆け込みました。
会計
わたしの今周期の治療はここでいったん終了なので、精算をすませなくてはいけません。
採卵時に35万円を一時的に預けているので、過不足分の清算をします。
(セントマザー産婦人科では2019年7月から、治療費値上げにより一時預かり金は40万円になっています)
オプションは3日目までの長期培養費だけですが、+3万2千円くらい追加で支払いました。
お金は、ある程度多めに準備していた方がいいですね。
胚の状態はあまりよくなくてがっかりしましたが、なんとか移植ができて、とりあえずひと安心です。
奇跡が起きることを願って、妊娠判定までの日々をすごしました。
移植後は妊娠超初期症状が気になるところですが、黄体ホルモン剤の服用をしているため、その副作用の可能性が高く、気にしないようにしてすごしました。
まぁ、とはいえ気になるんですけどね 笑
とにかく、ネットで検索はしないようにしました。
実感はまったくありませんが、「お腹に大切な卵がいる」と思うと、不思議な感覚でした。
次回は、ドキドキの妊娠判定に続きます!